くにてつのよもやま話~スラブ配筋の要点—上端・下端・ひび割れの“三角関係” ~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

スラブ(床版)は一見“面”ですが、支点とスパン、荷重の向きで力の流れがガラッと変わります。ワンスパンの“一方向スラブ”か、柱に四周支持された“二方向スラブ”かで、上端筋・下端筋・配力筋の意味が違う。さらに温度・乾燥収縮が乗ってくるため、ひび割れを“どこで受け止めるか”の設計意図を施工で実現することが最大の仕事です。ここでは段取り→配筋→写真→是正の流れで、スラブの“効く”手順をまとめます。

 

1) 力の流れを現場の言葉に
• 一方向スラブ:主筋はスパン方向の下端が主役。支点(梁・壁・柱頭)では上端に負曲げが出るため、上端増しが必要。
• 二方向スラブ:十字に力が流れる。下端直交二層が基本、柱周りはパンチング(せん断)に注意。柱頭厚み(ドロップパネル)や頭付きスタッドが指示される場合も。
• 床荷重:仕上げ・間仕切・設備荷重を見込む“長期”と、人荷・台車など“短期”。打設中の施工荷重は別腹で、支保工の計画が重要。

 

2) スペーサーと“面の高さ”を決める
• チェアスペーサー(樹脂/コンクリート)で下端筋のかぶりを確保。@600〜@900を目安に“歩けるグリッド”で配置。
• 上端筋はサドルスペーサーやトラススペーサーで水平を出す。型枠押し・踏み抜きで沈むリスクに先手を。
• 端部逃げ:端部は型枠に押し付けられやすい。側面スペーサーの追加とタイバンドで保持。

 

3) 配筋の段取り
1. 通り芯・開口位置の墨→支保工水平→スペーサー配置。
2. 下端主筋・配力筋→開口補強(開口径に応じ1D/2D/3D範囲)。
3. 上端筋・ひび割れ制御筋(温度筋)→柱周りパンチング対策を忘れず。
4. 継手の“ずらし”:同一断面集中NG。1/4スパン以上離隔を基本に。

 

4) 開口・スリーブの鉄則
• 開口四隅のL形補強は必須。辺長の2D〜3Dを目安に増し筋。
• スリーブは事前の三者調整(鉄筋/型枠/設備)。現場での一方的カット禁止。切るなら補強詳細の指示→是正写真がセット。

 

5) ひび割れと“仕上げ”の関係
• 温度・乾燥収縮のひび割れは上端に出やすい。上端温度筋を正しいピッチで。
• ひび割れ幅の管理は目地・スリットの計画にも関係。仕上げ業者と可視化(実寸テープ)で共有。

 

6) よくあるNGとリカバリー
• 上端筋の“沈み”→サドル増設+増し結束。人の通行ルートを限定して再沈みを防止。
• 配力筋の欠落→平面図の“細線”指定を見落としやすい。色鉛筆で塗り分けて加工帳へ。
• 柱周りパンチング筋不足→打設前ミーティングで柱ごとのチェックシートを読み合わせ。

 

7) 写真の撮り方
• 上端温度筋の@ピッチが一目で分かるようピッチゲージを添える。
• 柱周り(パンチング対策)は通り芯表示+定規のセット写真。
• 開口補強は四隅L筋が入っている角度で。

 

現場チェックリスト ✅ – 支保工の水平・沈下管理はOK? – チェア/サドルのピッチと数量は足りている? – 上端温度筋の@は図面どおり? – 開口補強と柱周りパンチング対策は完了?

 

 

 

 

くにてつのよもやま話~梁配筋の要点—スターラップと上端筋で“梁端”を制す ~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

梁は曲げとせん断の複合応力に晒されます。端部は曲げモーメントが大きく、上端筋が主役。同時にせん断力に対してスターラップが梁を“帯”のように締め上げます。ここでは、梁の施工順序・干渉回避・検査ポイントを体系化します。🧠

 

1) 施工順序の原則
1. ハンガー筋→2. 下端主筋→3. スターラップ通し→4. 上端主筋→5. 配力筋・補強筋。
• 先にスターラップを“通す”ことで、上端の浮きやかぶり不足を抑制。

 

2) 端部の密配筋と定着
• 端部@:設計で@50〜@100などの緊密部が指定される。区間の始まり・終わりを間違えないよう、スプレーテープで現場表示。
• 定着:梁端の上端筋は柱内定着。折返し(フック)の長さ・方向を加工帳に明記。
• ハンチ・段差:折返し位置とスターラップの角度に注意。ハンチ部はスターラップ角度変更の指示を見落としがち。

 

3) 開口・スリーブ周り
• 開口補強:開口周囲1D/2D/3Dの範囲で増し筋。四隅のL形補強を忘れない。
• スリーブ干渉:設備と三者調整。丸鋼スペーサーで仮保持→スターラップで抱かせる。

 

4) かぶりとスペーサー
• 梁側面は型枠押しが強い。側面スペーサーとタイバンドで逃げないよう保持。
• サドルスペーサーで上端筋の高さを一定に。

 

5) よくあるNG
• スターラップの向き・継手位置がバラバラ→継手は交互ずらし、向きは統一。
• 上端筋の“浮き”→結束の締め過ぎor不足。ハンガー筋を活用して“水平”を出す。
• 端部密配筋に“増し結束”不足→打設時に崩れる。増し結束をルール化。

 

6) 写真の撮り方
• スターラップ@の密・疎境界にテープを貼って写すと第三者に明快。
• 柱内定着の“入り”が分かる角度で。

 

現場チェックリスト ✅ – 施工順序は“スターラップ通し→上端”の原則になっている? – 端部の@境界は表示した? – 柱内定着の長さ・方向は加工帳に明記? – 開口補強は範囲・本数ともOK?

 

 

 

くにてつのよもやま話~柱配筋の要点—帯筋で“柱の命”を守る ~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

柱は建物の“背骨”。主筋が軸力・曲げを受け、帯筋(フープ)がコアコンクリートを拘束し、座屈を抑えます。耐震性能の肝は、実は帯筋のピッチ・継手・フックの三拍子。ここでは、施工で外しやすい勘所を徹底的に潰します。💥

 

1) 段取りと墨出し
• 柱芯の確認:通り芯×直交芯。型枠前に“墨+釘+写真”でエビデンス。
• 主筋の建て込み:建入れ(垂直)はレベルと下げ振りでWチェック。揚重+仮筋交いで直立保持。

 

2) 帯筋(フープ)の鉄則
• 端部処理:135°フックが基本。柱コーナー外側で重ね、継手位置を上下でずらす。
• ピッチ:端部(柱梁接合部近傍)は@50〜@100の緊密配筋、中央は@100〜@150が一般的(設計に従う)。
• 中子(内法):主筋の座屈支点を短くするよう中子筋を配置。
• かぶり:スペーサーブロックを四周で計画的に。型枠押しでズレやすい面は増し。

 

3) 継手・定着
• 主筋継手:重ねは同一断面集中NG。1/4以上ずらすを徹底。機械式はトルク管理・マーキングを必ず。
• 定着:柱頭・柱脚の定着長は梁・基礎に食い込む。“梁主筋の邪魔”にならない3D段取りが鍵。📐

 

4) 柱梁接合部の詰め方
• 梁上端筋の折返しと柱帯筋の通しが干渉。→ 順序:柱帯筋→梁主筋→追加帯筋の“入れ子”。
• ハンガー筋で上端筋を一時保持、サドルスペーサーでかぶり確保。

 

5) ありがちNG
• 帯筋フックの向きバラバラ→統一方向で検査写真に写るよう配慮。
• スペーサー不足でかぶり欠損→柱四隅は増し、1m角で最低4個を目安。
• 主筋の建入れ不良→束ね・クランプで矯正。梁型枠建込前に必ず是正。

 

6) 写真の撮り方
• 通り芯・フック角・ピッチが一枚に入る“斜め”ショット。
• 継手位置のずらしはマーキングで可視化。

 

現場チェックリスト ✅ – 帯筋の端部フックは135°?位置は統一? – 継手集中していない?(ずらしOK?) – 柱頭・柱脚の定着長は確保? – かぶりスペーサーは規定ピッチで置いた?

 

 

 

くにてつのよもやま話~未来は強い🏙️📈~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

未来は強い🏙️📈

 

建設業は景気に左右されるイメージもありますが、鉄筋工事の需要は非常に底堅い分野です。
理由は、鉄筋が関わるのは新築だけではなく、更新・補強・インフラ整備にも広がるからです😊✨


1)耐震化・改修工事の需要が増える🌀🏗️

日本では耐震基準の見直しが進み、古い建物の耐震補強や改修が増えています。
そこでは鉄筋の追加や補強が必要になるケースが多い。
鉄筋工事は、災害に強い街づくりの中心にあります🛡️


2)インフラの更新で必要とされる🌉🚧

橋、トンネル、擁壁、下水施設…。
これらのインフラは老朽化が進んでいます。
補修・更新の現場でも鉄筋工事は不可欠です😊


3)品質の重要性が増し“腕のある職人”が評価される✅✨

安全性への目が厳しくなるほど、鉄筋工事の品質が重要になります。
検査基準も厳格化しやすく、結果として「丁寧にできる職人」「図面を理解できる職人」が強い。
技術がある人ほど市場価値が上がる世界です📈🔥


4)技術継承が課題=若手にチャンスがある🌱👷‍♂️

職人不足が言われる中、鉄筋工事は若手が成長しやすい分野でもあります。
真面目に覚え、継続して経験を積めば、早い段階で中心人材になれる可能性があります😊✨

鉄筋工事業は、街の安全を骨格から支え、未来の防災・更新需要にも直結する仕事。
見えないからこそ誇れる、芯のある職人仕事です🏗️🦴🔥✨

くにてつのよもやま話~「手に職」の代表格🧤🔥~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

「手に職」の代表格🧤🔥

 

鉄筋工事業は、建設現場の根幹を担う仕事。
だからこそ、技術が身につけば現場で必要とされ続けます😊✨
そして“成長”が分かりやすく、キャリアの幅も広いのが魅力です💪


1)未経験でもステップアップしやすい🌱🏗️

最初は鉄筋の種類も、結束線の扱いも分からなくて当然です。
でも鉄筋工事は、仕事が工程化されている部分も多く、見て学びやすい。

  • 運搬・材料整理

  • 結束の補助

  • スペーサー設置

  • 柱筋・壁筋の組立補助
    こうして段階的に任され、少しずつできることが増えていきます😊✨

そして上達が早い人ほど、周りから評価されやすい。
「飲み込みが早い」「手が早い」「段取りができる」
鉄筋の世界は努力が報われやすいんです🔥


2)“職長”になると世界が変わる👷‍♂️📋

鉄筋工事はチームで動きます。
そしてチームをまとめる職長の存在が重要です。

職長になると、

  • 工程管理

  • 他業種との打ち合わせ

  • 人員配置

  • 品質チェック
    など、現場全体を見る力が求められます🧠✨

職長を任される人は、現場の中核。
技術だけでなく、コミュニケーション力も磨かれます🤝


3)独立や法人化も視野に入る🚀💼

鉄筋工事業は、技術と信頼があれば独立もしやすい分野です。
もちろん、協力会社との関係や受注、見積、労務管理など経営面の力も必要ですが、腕がある人は声がかかる世界でもあります😊

現場で「この人に任せたい」と思われる職人は、仕事が途切れにくい。
紹介がつながり、チームを作り、会社を大きくしていく道もあります🏗️📈


4)“誇れる仕事”として一生モノになる🦴✨

鉄筋工事はきつい、暑い、重い—確かに簡単ではありません😣💦
でも、その分だけ誇りが残ります。

自分が組んだ鉄筋は、完成したら見えなくなる。
けれど建物が立ち続ける限り、内部で働き続けます🏙️🛡️
「街の安全を支える」
この誇りは、一生モノです😊✨

くにてつのよもやま話~「図面を現実にする技術」📐🛠️~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

「図面を現実にする技術」📐🛠️

 

鉄筋工事の価値は、単に鉄筋を並べることではありません。
設計図の意図を読み取り、それを現場で正しく再現すること。
ここに鉄筋工事のプロとしての凄みがあります😊✨


1)図面を読む力が“現場の武器”になる📄🔍

鉄筋工事では、配筋図を理解することがすべての出発点です。
主筋の本数、鉄筋径、ピッチ、かぶり厚、定着長、継手、補強筋…。
図面には意味があり、設計者は安全性や耐久性を計算した上で配置を決めています🧠✨

図面が読める職人は、

  • 間違いに気づける

  • 先の段取りができる

  • 他業種との干渉を予測できる

  • 施工精度が安定する
    という強みを持ちます💪📐

鉄筋工事は、頭も使う職人仕事。
体力だけでなく、理解力と観察力が伸びる世界です🔥


2)「加工・組立・結束」—手の技術が積み上がる🧤🔩

鉄筋の仕事は、

  • 鉄筋を切る✂️

  • 曲げる🌀

  • 組む🧱

  • 結束する🔗
    という工程が基本です。

結束線の締め方一つでも、早さと強度が変わります。
鉄筋を正しい位置に保持するためのスペーサーの入れ方、結束の間隔、番線の処理…。
細部が品質に影響します😳

最初はぎこちなくても、経験を積むほど手が覚えていきます。
「手が勝手に動く」領域に入ると、仕事が楽しくなる瞬間が来ます🔥😊


3)段取り力が現場を支配する🚚📦

鉄筋工事は、材料が多く、現場のスペースも限られることが多いです。
だからこそ、段取りが重要になります。

  • どの順番で搬入するか

  • どこに材料を置くか

  • 加工場をどう確保するか

  • 作業順序をどう組むか

  • 型枠や設備との干渉をどう避けるか
    こうした計画力が、現場のスムーズさを決めます🧠✨

段取りが良い職人・職長は、現場の信頼を集めます。
鉄筋は“現場を動かす仕事”でもあるんです💪🏗️


4)検査に通る品質をつくるプロ意識✅🔍

鉄筋工事は、配筋検査があります。
検査で見られるのは、図面通りかどうかだけではありません。

  • かぶり厚は確保されているか

  • 鉄筋のピッチは適正か

  • 継手や定着は正しいか

  • 補強筋が入っているか

  • 結束は適切か
    など、細部までチェックされます🔍✨

検査に通る配筋を当たり前に作れる職人は、現場で強い。
そして何より、その品質が建物の安全を守ります🛡️

鉄筋工事は、図面を現実にする技術職。
頭と手と段取りを磨くほど、一流に近づく。
そこが鉄筋工事業の魅力です🔥📐🛠️✨

くにてつのよもやま話~「建物の骨格」をつくる仕事🏗️🦴~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

「建物の骨格」をつくる仕事🏗️🦴

 

完成したビルやマンション、学校、病院、商業施設。外から見えるのはガラスや外壁、内装の美しさかもしれません🏙️✨
でも、その建物が長く安全に立ち続けるために、内部で静かに支えているものがあります。それが鉄筋です🧱🔩

鉄筋工事業は、コンクリートの中に組み込まれ、完成後はほとんど見えなくなる仕事。
だからこそ、派手さよりも“本質”が問われます。建物の安全性、耐震性、耐久性を決める骨格をつくる。
言い換えれば、鉄筋工事業は「街の安全を内側から支える仕事」なんです😊🛡️


1)鉄筋は“見えない生命線”🧠🧱

コンクリートは圧縮(押される力)には強いですが、引張(引っ張られる力)には弱い性質があります。
そこを補うのが鉄筋。鉄筋とコンクリートが組み合わさることで、建物は地震や風、荷重に耐えられる強さを持ちます🌪️🏗️

つまり、鉄筋は建物の中の生命線。
鉄筋が正しく組まれ、正しい位置に入り、正しいかぶり厚(コンクリートで覆われる厚み)が確保されているからこそ、建物は設計通りの強度を発揮できます📐✨

もし鉄筋がズレる、間隔が不揃い、結束が甘い、定着が不十分…そんなミスがあれば、完成後に取り返しがつきません😣💦
だから鉄筋工事は、最初の段階から“絶対に妥協できない”責任の大きな仕事なんです。


2)鉄筋工事は「正確さ」と「速さ」の両立が魅力⏱️📏

鉄筋工事の現場では、図面を読み、鉄筋の径や本数、ピッチ(間隔)、定着長さ、補強筋の配置を正確に再現していきます。
しかも現場は毎回条件が違う。柱、梁、壁、床、基礎…。形状も複雑で、鉄筋の種類も多い🌀

その中で、職人たちは

  • 図面を理解し🧠

  • 材料を段取りし🚚

  • 加工・組立を進め🛠️

  • 検査に通る品質を確保する✅
    という一連の流れを、現場のスピード感の中でやり切ります。

「精度が高いだけ」でも、「早いだけ」でもダメ。
品質と生産性を両立できる職人は、現場で圧倒的に信頼されます🤝✨
この“職人としての格”が磨かれるのが鉄筋工事の面白さです🔥


3)耐震・防災の要として社会に直結する🌀🛡️

日本は地震が多い国です。
だからこそ建物には耐震性が求められ、鉄筋工事の品質が非常に重要になります。

鉄筋は、地震の揺れで発生する力を受け止め、粘り強く耐える役割を持ちます。
例えば、柱の帯筋(フープ筋)や、梁のあばら筋、壁の補強筋などは、地震時の変形に耐えるための要。
つまり鉄筋工事は、防災インフラのど真ん中にある仕事なんです🏗️🛡️

「自分が組んだ鉄筋が、この建物の命を守る」
この感覚は、鉄筋工事業ならではの誇りにつながります😊🙏


4)完成後には見えない。それでも“残る”仕事🏙️✨

鉄筋工事は、コンクリートを打設したら見えなくなります。
人から褒められる機会は少ないかもしれません😅
でも、建物が何十年も立ち続ける限り、自分の仕事は内部で生き続けます。

街を歩いたとき、建物を見るたびに思えるんです。
「この街のどこかに、自分たちの骨格がある」🏙️🦴
目立たないからこそ誇れる、芯の仕事。
それが鉄筋工事業の魅力です🔥✨

くにてつのよもやま話~安全衛生・KY/TBM—“作業を止めない”ための守り方 ~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

安全はスローガンではなく生産性。ヒヤリハットを潰す仕組みは、段取りの良さと同義です。この回では、鉄筋工事特有のリスクと、KY(危険予知)・TBM(ツールボックスミーティング)の“回し方”を、テンプレ付きで解説します。

 

1) 主要リスクと対策
• 墜落・転落:床開口、端部作業、足場の不整備。→ フルハーネス、親綱、開口の即日養生、声かけ運動。
• 飛来落下:切断端、工具、束材の転倒。→ 落下防止コード、荷揚げ計画、二人作業。
• 挟まれ・巻き込まれ:ベンダー、カッター、クレーン搬入。→ 作業半径内の立入禁止、合図者の明確化。
• 切創:バリ、番線の端。→ 耐切創手袋、バリ取り徹底。
• 熱中症:夏季はWBGT表示、塩分・休憩ローテ、氷嚢。
• 粉じん・騒音:切断・斫り時の集じん・耳栓。
• 感電・火災:延長コードの被覆破損、火花養生不足。→ 毎朝の目視点検、消火器の近接配置。

 

2) KY/TBMの“型”
• 5分前集合→5分で回す:長い会議は現場に効かない。短く、毎日。
• フォーマット:①今日の作業 ②危険ポイント ③対策 ④役割分担 ⑤合図・指差呼称 ⑥終業点検
• 例(梁端部スターラップ@100取付)
o 危険:端部の墜落、ハンマー誤打、番線端の刺創
o 対策:親綱・二丁掛け、打撃方向の確認、番線端の折返し
o 役割:A上筋、Bスターラップ、C結束、D監視
o 合図:「固定」「締め」「良し」で声掛け

 

3) ヒヤリハットの共有
• “責めない文化”が前提。週1でベスト&ワーストを掲示板共有→是正を写真化して横展開。
• KYT(危険予知訓練):写真1枚から危険要因を3つ挙げ、対策を1行で書くトレーニング。

 

4) 季節・現場条件別のポイント
• 夏:休憩増+打設日程の前倒し検討。午後イチに重作業を置かない。
• 冬:凍結で足場・スペーサーが滑る。滑り止めと保温。
• 雨:納材の防錆養生、滑り対策。濡れた番線は手袋に刺さりやすい。

 

5) 緊急時対応フロー
1. 作業中止→安全確保
2. 応急処置→救急連絡(119)
3. 現場責任者へ報告→写真・状況記録
4. 原因分析→再発防止→朝礼共有

 

TBMメモ
“昨日の学び”を1行発表→“今日のリスク”を3つ→“対策宣言”を全員で声出し。たった3分で現場の事故率は目に見えて下がります。

 

安全チェックリスト ✅ – 開口部に即日養生・幅木・標識がある? – 延長コード・グラインダの被覆は無傷? – WBGT値と休憩ローテは掲示した? – 合図者は決まっている?

 

 

くにてつのよもやま話~結束・切断・曲げの技術—“見えなくなる品質”を作る手しごと~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

鉄筋工事の仕上がりは、図面と加工帳の正確さだけでなく、結束・切断・曲げという“最後の一手”の質で決まります。ここを疎かにすると、配筋は寸法通りでもコンクリートの打込み時に崩れる・かぶりが消える・定着が足りないといった事故につながります。今回は、現場標準となる手順・判断基準・小ワザを体系化してまとめました。✨

 

1) 結束(タイイング)の基本
• 番線の種類:#16(φ1.6)、#18(φ1.2)を使い分け。荷重の掛かる箇所や仮固定にはやや太めを。
• 結束の型
o クロス結束(×):交点固定の基本。作業性がよく、全体の“ゆとり”を残せる。
o サドル結束(Π):主筋を跨いで押さえる。上端筋の浮き防止に有効。
o ツイスト結束:素早いが、締め過ぎは位置ズレの原因。締め代を意識。
o ハリガネ喰い込みNG:防錆の観点からも、ねじ切りは避けたい。
• 結束ピッチの考え方:図面の@ピッチとは別に、施工上の結束間隔を設定。目安は300〜400mm、コーナー・継手・端部は増し結束。
• 電動結束機の使い所:面積の大きいスラブ・壁で生産性◎。ただし狭い梁端・柱梁接合部は手締めの方が確実なことも。

 

現場TIPS
結束は“固定”ではなく“保持”。調整の余地を残す締め加減が、最終のかぶり・定着を守ります。

 

2) 切断(カッティング)の勘所
• 工具:油圧カッター、ディスクグラインダ、レシプロソー。火花養生と切粉回収を徹底。
• 切断端の処理:バリ取りは必須。手袋で引っ掛ける事故防止&定着長の正味確保。
• 寸法の追い込み:“長めに切って現場合わせ”は禁止。加工帳は正寸で作り、現場は“置き方の工夫”で吸収。
• 安全:切断面の飛来落下、火気、延長コードの被覆破損に注意。切断時は火花方向に人を立たせない。

 

3) 曲げ(ベンディング)の品質
• 曲げ半径R:最小Rは鋼種・径で規定。小さすぎると脆性破断のリスク。曲げ冶具のピン径で管理。
• バネ戻り:鋼種が上がるほど戻る。5〜10°多めに曲げ→現場合わせ。
• 二度曲げ:原則避ける。やむを得ない場合は監理者承認+再曲げ規定の範囲で。
• 端部のフック:135°/90°の角度・長さを明記。“曲げ角だけ指示”は誤解の元。
• ねじれの除去:曲げ後に面がくるよう矯正。ねじれはかぶり不足・スペーサー脱落を招く。

 

4) 加工帳(バーリスト)の作法
• 記載要素:部位/番号、径、鋼種、L、曲げ角、R、数量、備考(定着・継手・端部処理)。
• 歩留まり最適化:原尺と曲げ材の“巣組み”でロス最小化。D13×6mを例に、1500/1800/2100の組合せ最適を試算。
• 識別管理:色ラベル+QRで図番紐付け。束ごとに札を必ず付ける。

 

5) ありがちNGとリカバリー
• 締め過ぎで位置ズレ→“仮締め→最終締め”の二段階に。
• 曲げR不足→冶具のピン径を定期確認。自作冶具は基準化。
• バリ残り→“切断→バリ取り→結束”を一人一工程にせず、ペアで相互確認。
• 開口補強の範囲間違い→“開口径の何D”をマスキングテープで現場可視化。

 

6) 写真と記録
• 曲げ端部の角度・長さが写る“斜め45°”を入れる。
• スペーサー高さはスケールを添えて。かぶりの根拠写真に。

 

現場チェックリスト ✅ – 番線の使い分けがチームで統一されている? – 曲げ冶具のピン径・角度ゲージは点検済み? – 加工帳の番号札は束に付いている? – 切断火花の養生・立入禁止はOK?

 

 

くにてつのよもやま話~段取りと品質管理—材料手配から配筋検査・是正まで ~

皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です

 

良い配筋は、始まる前に8割決まります。段取りと品質管理は“習慣化”が命。ここでは、材料→加工→据付→検査→是正→引継の一連を、誰が・いつ・どこで・何をで抜け漏れなく回す方法を紹介します。

 

1) 材料手配と受入
• 加工帳(BBS)を起点に発注。長尺・曲げの歩留まり最適化でコストを圧縮
• 納品時は鋼種(SD)、径、長さ、マーキングを確認。ミルシートを添付保管
• 仮置きは“先に使うものほど手前”の原則。動線を塞がないレイアウトに

 

2) 加工と識別
• 曲げ半径R・角度を遵守。再曲げは原則避ける(必要なら監理者確認)
• 束ごとにタグを付け、部位・径・数量・図番を明記。色テープで識別

 

3) 据付と結束
• スペーサー(サイコロ/サドル/チェア)を適切ピッチで。かぶり厚は“実測”で確認
• 結束は端部・交点・中間のメリハリ。全部を固めすぎると調整不能⚖️

 

4) 自己検査→立会検査
• 寸法(芯々、開口位置)、ピッチ、継手位置のずらし、定着長をチェック
• チェックリストは“写真の必須カット”とセットで用意(例:定規・通り芯・メモが一枚に収まる構図)
• 是正は“なぜ起きたか”まで遡及。治す→再発防止がワンセット

 

5) よくある是正とコツ
• かぶり不足:スペーサー追加・位置替え。型枠押しの癖がある箇所は、タイバンドで保持
• ピッチ不良:ゲージ活用+終端の半ピッチ調整。目標線を墨出しで用意すると迷わない
• 定着不足:フック長を再確認。梁端部は特に過密で見落としがち

 

6) 写真・記録の整備
• 撮り漏れは後戻りの源。部位→詳細→全景→通り芯入りの順で固定化
• データは図番フォルダで管理。是正前/後を並べられる命名規則に️

 

7) チームで強くなる仕組み
• 朝礼TBMで“きのうの学び・きょうのリスク”を30秒で共有
• 良い写真・良い段取りは掲示板(社内チャット)で称賛→真似が広がる
• 新人には“目的→根拠→作業”の順で説明。意味が分かれば手が正確になる
現場チェックリスト ✅ – ミルシート・納品書はファイル化した? – スペーサー数量は“かぶり×ピッチ×面積”で逆算した? – 立会検査の必須カットと是正締切は共有できてる? – 是正の“原因・対策・再発防止”を3行で記録した?

 

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※第5回以降(工具・治具/安全衛生/柱・梁・スラブ・壁の要点/基礎配筋/継手/かぶり・定着/加工帳/工程管理/防錆/取り合い/検査写真/コスト・歩掛/BIM・効率化/品質事故/人材育成/未来の鉄筋工事)は、同じトーンで順次公開予定です。