皆さんこんにちは
株式会社くにてつの更新担当の中西です
鉄筋組立工事の工程と手順を徹底解説!
今回の鉄筋組立工事雑学講座では、「鉄筋をどうやって組んでいくのか?」という、実際の現場作業の流れについてご紹介します。
鉄筋組立工事は、ただ鉄筋を置いて縛るだけではありません。
計画から準備、加工、配置、結束、そして精度の確認まで、一つひとつの工程がしっかりと連携し、初めて安全で高精度な施工が実現されます。
◆ 鉄筋組立工事の基本工程とは?
以下は、代表的な建物や構造物における鉄筋組立の基本的な流れです。各工程での注意点や目的を詳しく見ていきましょう!
1. 鉄筋配置図の確認と準備
施工前の最重要工程です。
まずは鉄筋配置図・構造図・施工図を確認し、使用する鉄筋の種類(SD295Aなど)、太さ、長さ、配置間隔、かぶり厚さ、結束箇所などを把握します。
▶ 主な準備内容:
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使用する鉄筋の数量・規格の確認
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配置する部位ごとの加工図の読み取り
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作業エリアや動線の安全確保
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作業班ごとの役割分担と工程確認
この段階で不備があると、現場作業が滞る原因になります。現場管理者と作業員の情報共有が不可欠です。
2. 鉄筋の切断・加工
設計図に基づいて、鉄筋を必要な長さ・形状に切断・曲げ加工します。
▶ 使用する工具や機械:
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鉄筋カッター(手動・電動)
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ベンダー(曲げ加工機)
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加工テンプレート
角度や寸法がズレると後工程に大きく影響するため、ミリ単位での正確さが求められます。
加工後は、部位別に番号をつけて整理しておくと、現場での作業効率が向上します。
3. 鉄筋の運搬・配置
加工された鉄筋は、現場へ搬入され、配置図に従って正確な位置に並べていきます。
▶ 配置作業のポイント:
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主筋・あばら筋・補強筋などを正しい順で配置
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スペーサーやサポート台で高さ・かぶりを確保
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通行の妨げにならないよう、作業導線を意識する
鉄筋は、「鉄骨のように完成後に見える」ものではありませんが、構造の強度を支える“骨”としての精度が求められます。
4. 鉄筋の結束
配置された鉄筋を、結束線(番線)を使って固定していきます。
▶ 結束の方法:
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手結束(手作業):職人のスピードと技術が問われる
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結束機(電動ツール):作業の効率化と品質均一化に有効
ズレ防止のため、交差するすべてのポイントで結束が必要。
また、鉄筋の浮き上がりやねじれを防止するための“仮止め”も重要です。
5. 位置・寸法・かぶり厚の確認
組み立てが完了したら、必ず設計図と照合して検査・確認を行います。
▶ 主なチェック項目:
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鉄筋の中心間隔
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定着長さ(コンクリートに埋まる長さ)
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かぶり厚さ(鉄筋表面とコンクリート外面の距離)
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水平・垂直の直線性
不備がある場合は、その場で修正対応します。
鉄筋が適切に保護されていないと、将来的なひび割れや錆びによる劣化に繋がるため、特にかぶり厚さの確保は重要です。
◆ 安全・効率・品質を高めるための工夫
現場では、精度だけでなく作業の安全性と効率化も求められます。
● 鉄筋を識別しやすくするための色分け
サイズごとにマーキングをつけることで、現場での識別がスムーズになります。
● 作業環境の整備
滑りやすい場所の養生や、資材の整理整頓により、事故のリスクを減らしながら作業効率も向上させます。
● 事前に小分け組み立て
現場ではなく、敷地内の作業ヤードで事前にユニット状に鉄筋を組み立てる方法も広く使われています(プレハブ方式)。
これにより、現場での作業時間を大幅に短縮できます。
◆ まとめ:一手間が品質を左右する
鉄筋組立工事は、単なる力仕事ではなく、設計・加工・配置・結束・検査まで一連の技術と知識が問われる専門職です。
一つ一つの工程を丁寧に行うことで、建物の安全性や耐久性が確保され、将来のトラブル防止にもつながります。